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ばね指Baneyubi

術式(手術の方法)について

時折、他院で行われている「エコーガイド下の腱鞘切開」いわゆる「切らない手術」についてご質問をいただくことがあります。
結論から申しますと私はこの術式を適切とは考えておらず選択していません。

この方法は皮膚をできるだけ切開せずに腱鞘を切開することを目的とした手技で「傷が小さい」という点が強調されるため、患者さんにとって魅力的に聞こえることは理解できます。
しかし実際のばね指の手術では単に腱鞘を切開するだけでは指の動きの制限が十分に改善しないことがあります。
そのような場合、屈筋腱同士あるいは腱と周囲組織との癒着が動きの妨げになっていることがあり、改善するためには癒着を剥離する操作が必要になります。

手術名としては一般に「腱鞘切開術」と呼ばれますが、私自身は腱鞘を切開するだけでなく腱の滑走性を確認しながら癒着を剥離する操作も実施しており、それが機能予後(最終的な動きや痛み)にとって重要だと考えています。
「切らない手術」では腱鞘切開は可能であっても腱の癒着を確認したり、癒着を剥離することは困難です。
そのため私はこの術式をばね指に対する適切な手術と考えていません。
実際に他院で「切らない手術」を受けたものの症状が改善せず、後から手外科外来へ受診される患者さんもいます。

ばね指に限った話ではありませんが、単に「切らない」「傷が小さい」といった表面的な要素で治療法を選択するのではなく、本質を捉えてより確実な手段を選択することが医療の基本であると私は考えています。